(2014/06/01)
「ラバストっぽいものを試作してみる 実物作成編」の、シリコンで実物を作る場合の詳細と補足です。
シリコンは型取り用のシリコンを使いました。
とろとろした液体で、付属の硬化剤を入れると固まります。
シリコンを使う理由
・流動性があるので、細かい所まで液体が行き渡って綺麗にできる
・気泡が抜けやすい
シリコンを使う場合の難点
・少量で買うのは難しい
・売っているところが限られる(通販や大きい模型店など)
・慣れるまで扱いが面倒
・鋭利な物が当たったりして傷がつくとそこから裂けやすい
シリコンは最初は扱いが大変そうに感じるかもしれませんが、慣れればどうということはないです。
・硬化剤を入れたらしっかり混ぜる
・糸が引くように細くたらす(ドバッとたらさない)
・手袋、マスク、保護メガネなどを装着し、換気をしっかりする
…などが重要だと思います。
型取り用のシリコンはいろいろなメーカーから出ており、
柔らかさや耐久性、裂けやひっぱりの強度などいろいろ種類があるようです。
1kgで2300円~4000円くらいで売ってます。
この記事では旭化成ワッカーシリコンM8012を使っています。
(型取りに使ったのが余っていたので)
原型はビニールマット、型取りはグルーガンを使いました。
角にはラッカースプレーを塗ってあります。(→補足参照)
シリコンを必要な分だけ取り出します。
適当な紙にガムテープを貼ったものをパレット代わりにしています。
(量が多めなときは普通にプラのカップなどを使っています)
シリコンにインクなどを混ぜて色をつけます。
(着色についてはこちら→シリコンに着色する)
硬化剤を入れて混ぜます。気泡ができても気にせずしっかりと混ぜます。
硬化剤が透明なため、ちゃんと混ざっているか不安なので、これでもか!ってくらい混ぜます。
しっかり混ぜておくと硬化不良にもなりにくいです。
硬化剤についてですが、
シリコンが少量の時は面倒なので計量していません…。
今回使ったシリコンはシリコン100gに対して硬化剤4gの割合で混ぜるようになっています。
ということは10gだと0.4g、
5gだと0.2g、
1gだと0.04g、…面倒です。
持っているはかりも0.1g単位のはかりなので、あまり量が少ないと量れません。
なので大体の割合を見た目で覚えておいて、「これくらいかなー」という量で混ぜています。
(あくまでも少量の時です。本当はちゃんと量った方が良いです)
硬化剤を混ぜてから色をつけてもいいのですが、
色を作るのに手間取っていると、作業中に固まってきて使えなくなり無駄なシリコンが出来てしまうので、
基本的には色をつけてから硬化剤を混ぜています。
シリコンの硬化剤は量が適当でもわりと固まります。
硬化剤が多いと早く固まります。下手をするとすぐ固まってしまい流し込みにくくなります。
硬化剤が少ないと固まるのに時間がかかりますが、その分ゆっくり作業できます。
かといってあまりにも少ないといつまでも固まらないです。
規定量の6割~7割くらいでいいような気がします。
(型取り用のシリコンはMrシリコーンかワッカーシリコンM8012くらいしか使ったことがないのでそれ以外は分かりませんが…)
シリコンをストローで作った絞り出し袋に入れます。
シリコンは流動性があるので、出口からたれてこないようにフタをしておきます。
写真はセロテープを貼ってフタにしていますが、細い棒などを差し込んでおいてもOKです。
シリコンはこの様な感じでとろとろしています。
ストローに入れます。
周りについたシリコンを拭き取って、
セロテープを巻いてフタにします。
シリコンが付いていた部分はセロテープがくっつかないので、
シリコンが付いてなかった下の方からぐるぐると巻いて貼ります。
それだけだと心もとないので、口元を折り曲げておきます。
(セロテープを巻いてから口元を折ると、折った時にシリコンがにゅるっと出てくる心配が少ないです)
ストローを使わずに、普通に竹串などを使ってたらしてもいいです。
細かい所や面積が少ない色は、ストローに入れるのも手間なのでそのまま竹串などでたらしています。
広い部分や多く使う色は、一回ストローに入れた方が結果的に早くできる気がするので、ストローに入れています。
シリコンを型にたらします。
細く糸が引くようにたらすと気泡が抜けやすいです。
たらたら。
ある程度たらして、
しばらく置いておくと平らに流れていきます。
同じようにして髪の部分にもシリコンを流し込みます。
流し込みました。
目やカドなどの細かい部分は、糸を引くようにしてちょんちょんとシリコンを少量たらし、
空気が抜けるような部分を作っておくようにします。
しばらくするとシリコンが平らになって流れ込んでいくので、気泡ができににくいです。
ドバッと一気にたらすと気泡が残りやすいです。
参考として、シリコンを細くたらしてしばらく置いておくとこの様になります。
目などの細かい部分は、竹串を使ってシリコンを流し込みました。
細かい部分を先にやって、広い部分を後でやってもいいです。
シリコンを流し込む順番はお好みで。
全て流し込んだら硬化するまで放置します。だいたい6時間~24時間くらいで硬化します。
硬化中は有毒ガスが発生するので、人がいない場所、風通しの良い所に置いておきます。
硬化中のシリコンと同じ部屋で寝たりするのはお勧めしません。
(実際臭いです。そして疲労感がすごいです)
硬化したら、ベースとなる色をつけたシリコンを流し込みます。
複雑な形でもないので、普通に割り箸でたらしています。
しばらく放置して硬化させます。
シリコンは硬化すると収縮するので少しへっこんだ感じになりますが、少しなので気になるほどではないと思います。
型からはがします。
これをゴム板等に貼ったりして完成です。
■シリコンがいつまでも固まらない
硬化剤の量が少なかったか、かくはん不足が主な原因だと思います。
固まるまで3日くらいかかった事もありました。
温度や湿度によっても硬化時間が変わってきます。
「縮合タイプ」のシリコンは空気中の湿気と反応して硬化するらしいので、
お風呂場とか湿気の多い場所に置いておくと早く硬化するみたいです。