(2013/10/11)
前回→型取り編
前回作った型に樹脂っぽいものを流し込んで、実際のラバストもどきを作ろうと思います。
型を取った時と同じく、
ものによっては離型用のシリコンスプレーを吹きかけておきます。
組み合わせによっては、吹きかけておかなくても剥がれるものもあります。
逆に、吹きかけておいたのに剥がれないものもあります。
場合によってはベビーパウダーやハンドクリームなどを使ってもいいかもしれません。
うまくいかないと型にくっついたりするので、
本番のラバストを作る前に一度別の適当な型で試しておくと多少安心です。
試作なのでゴム板には貼っていませんが、
最終的には出来たものをゴム板に貼ってストラップにする、という想定です。
100均のストローでこの様なものを作り、中に樹脂を入れて型に流し込みました。
絞り出し袋みたいな感じです。紙などで作っても大丈夫だと思います。
さらに細かいところは竹串などを使ってたらしていきます。
着色は、水性のものはアクリル絵の具で、
水をはじきそうなものは油性のスタンプ補充用のインクで色をつけました。
100均(ダイソー)で購入。
この様な、
振るとカラカラと音がして、芯を押し付けるとインクが出てくるタイプの油性ペンを使ってもいいと思います。
絵の具と樹脂を混ぜる際は、適当な紙にガムテープ(クラフトテープ)を貼って、ペーパーパレット代わりにしました。
使い捨てにしてもいいですし、乾いた後で樹脂をはがせるので、繰り返し使うことも出来ます。
100均(セリア)に売っていたスイーツデコ用の樹脂を使ってみました。
材質はアクリル樹脂と書いてありました。
色は白、薄い黄色、ピンク、水色、茶色などが売ってました。
白を買い、アクリル絵の具で色をつけました。
(原型→デスクマット、型取り→おゆまる)
雑にやったせいかはみだしてしまいました。気をつけてやらないといけないようです。
目は後で樹脂をたらしました。
乾燥後は柔らかく、テカテカしてます。
爪などを押し付けると形がつきます。でも時間が経つとそんなに目立たなくなりました。
この様なアクリル系の充填材でも似たような感じで作れるかなーと思ってやってみましたが、伸びてしまってうまくいかず…。ものによるかも。
(ホムセンで100g入り300円くらいで売ってた気がします)
ボンドに絵の具を混ぜて色をつけます。絵の具はアクリル絵の具を使いましたが、水彩絵の具でも大丈夫だと思います。
乾燥したら型からはがして、周りを切って形を整えます
(原型→牛乳パック、型取り→おゆまる)
ボンドなのでプラっぽい型ならシリコンスプレーをかけなくても普通にはがれると思います。要確認ですが。
ボンドは乾くと半透明になるので、絵の具で色を作ってからボンドと混ぜると色合いが失敗しにくいです。
※補足記事を書きました→こちら
ボンドとでんぷんのりを1対1くらいで混ぜ、アクリル絵の具で色をつけたものを使いました。
(原型→牛乳パック、型取り→おゆまる)
ボンドだけで作ったものよりも、少し硬めでマットな質感になった気がします。
100均の軽量タイプの紙粘土を使いました。
紙粘土だけだと乾燥後に折れそうなので、ボンドを混ぜました。
アクリル絵の具を混ぜて色を着け、型に埋めていきます。
(原型→オーブン粘土、型取り→型取用シリコン)
粘土を埋めるのはかなり面倒くさかったです。
空気が入ってしまい、表面が汚くなってしまいました。
空気が入らないように埋めていくのは難しいですが、
粘土をゆるめにして埋めていくと、なんとかなりそうな気もします。
乾燥後はふわふわとしていて弾力がありますが、
曲げすぎると折れそうです。
ボンドをもっと多めに(1対1くらいで)混ぜれば折れない気もします。
紙粘土を使うのではなく、
ボンドとこむぎ粘土を混ぜたものでも似たような感じで作れるのではないかと思います。
100均(ダイソー)に売っていたガラス絵の具を使ってみました。
成分はポリアクリルエマルジョン、染料、水と書いてあります。
(エマルジョンというのは、樹脂を微粒子にして水の中に分散させたもの、乳濁液、ということらしいです。木工用ボンドなどもエマルジョン)
メタリックカラーのラメ入りのものはポリビニルアルコールと書かれていました。(PVA…液体のりみたいなものでしょうかね…)
とりあえず白を買い、アクリル絵の具を混ぜて色をつけて使いました。
(原型→デスクマット、型取り→グルーガン)
色部分の膜が薄かったせいか、後からたらした黒い部分が透けてしまいました。
厚めにたらした方が良さそうです。
柔らかく、テカテカしています。
ガラス絵の具なので、つるつるしたものにはぴたっと貼りつきます。
事務・工作用の合成のりを使ってみました。
ごく普通の液体のりです。
成分はポリビニルアルコールと書いてありました。
色はアクリル絵の具でつけました。
アクリル絵の具を合成のりで薄めて使った、と言った方が合ってるかもしれません。
あまり粘度が高すぎると流し込みにくいので、水も少し混ぜました。
色をつけた合成のりを型に流し、乾燥させます。
乾燥させるとヒケて薄い膜になります。
乾燥後、厚みをもたせるために100均の黒色の軽量紙粘土を上から押し付けました。
(紙粘土は折れないように、ボンドを1対1くらいで混ぜて使いました)
(原型→デスクマット、型取り→おゆまる)
合成のりの部分に気泡が入らないようにするとそれっぽくできると思います。
写真のやつは一部に気泡が入ってしまいました。
合成のりの部分は膜がかなり薄く、ほとんどが紙粘土なのでスポンジみたいに弾力があります。
でもあまり雑に扱うと千切れる気もします。
合成のりは水溶性なので、乾燥後でも水がかかると溶けます。
後から紙粘土を押し付ける際に、
紙粘土の水分で合成のりがふやけて汚くなってしまうといけないので、
紙粘土は静かに押し付けてください。
紙粘土部分が厚すぎると乾燥するまでかなり時間がかかります。
型から外そうとしたら中がまだ半乾きで、その部分が少し汚くなってしまいました。
完全に乾燥するには2~3日ほどかかりました。
水にはとても弱そうです。
ニスは水で薄められるものを使い、アクリル絵の具を混ぜて色をつけました。
使った水性ニスの成分表示は、「水、合成樹脂(アクリル)、有機溶剤」と書かれていました。
絵の具がうまく混ざらない部分が出来てしまいました。
絵の具をある程度水でゆるくしてからニスと混ぜると良さそうですが、
使うニスによってはうまく混ざらないかもしれません。
(原型→デスクマット、型取り→おゆまる)
黒い部分にはシリコンシーラントを使いました。
ニスが乾燥してからシリコンシーラントを絞り出します。
曲げたらニスの部分がバキバキと割れてしまいましたが、元に戻すと割れ目は分からなくなりました。
木の板などの硬いものに貼り付けてストラップにするといいかもしれません。
ホムセンの建築・補修材コーナーに売ってるシーリング材を使ってみました。
この様な筒状の容器に入っていて、中身を出すには専用のコーキングガン(200円くらい)が必要です。
コーキングガンが無くても、底の部分を強く押せば中身は出ます。
(でもコーキングガンを使った方が楽です)
使いきりタイプですが、開封後は固まったシーリング材を栓代わりにして口元に詰め、
しっかりフタを閉めておくと結構日持ちします。
チューブタイプの製品もありますが、グラムのわりに高いです。
シリコン系、変成シリコン系、ポリウレタン系など、いろいろ種類があります。
値段は種類によってさまざまですが、200円~700円くらいです。
シリコン系は耐熱性に優れている、施工した目地周辺への汚染がある(塗装が出来ない)、
変成シリコン系は硬化後に塗装が可能、硬化中にメチルエチルケトオキシム(MEKO)というガスを発生しない、
ノンブリードという目地周辺への汚染が少ないタイプの製品もある、
……などいろいろ特性があるようです。
シリコンホイップなどのスイーツデコ用の製品を使った方が黄ばみ・耐年劣化などの心配は少ないかもしれません。売ってるお店がないので通販になりそうですが。
着色には100均のスタンプ補充用の油性インクを混ぜてみました。
ストローで作った絞り出し器に入れて型に注入したのですが、
空気が入らないように注入するのは少しコツがいります。何回かやってみるとうまく出来るようになると思います。
どうしても空気が入ってしまう場合は、ラッカー薄め液で薄めるとやりやすいかもしれません。でもラッカーなので作業中かなり臭いです。
薄めすぎると乾燥後はふにゃふにゃして強度がなくなります。
シリコンシーラントを使う場合は、型にたっぷりとを離型剤を塗っておかないと剥がれません。
塗っておいても剥がれないこともあります。
シリコンスプレーよりも、ハンドクリームやリップクリームを塗った方がいいかもしれません。
おゆまるで作った型なら何も塗らなくても剥がれます。
(検索するとシリコンシーラントでフェイクスイーツやパーツの複製などをしている方のページがいろいろ出てきますので、そういったサイト様も参考にしてみてください)
(原型→デスクマット、型取り→おゆまる)
透明なシリコンシーラントを使ったら、やはり黒い部分が透けます。
白いやつを使った方がよさそうです。
空気が入ってしまった失敗例。
広い部分よりも、細かい部分の方が空気が入らずやりやすかったです。
ピンクの方がシリコンシーラントで、
水色の方はウレタン系のシーリング材でやってみました。
ウレタン系は少しぺたぺたしてよく伸びます。
シリコン系のほうが硬めでよさそうです。
(メーカーによっても違いがあると思います)
ゴム系溶剤形の接着剤を使いました。
乾燥させると柔らかい物が残るので、使えるかなーと思って試しにやってみました。
今回使ったのはこちら。
(もしかしてこの製品はゴム系じゃない気もしますが、大量に持ってたのでこれを機に消費出来るのではないかと思い、使いました)
成分はウレタン樹脂2割、有機溶剤8割、のようなことが書いてありました。
(他の接着剤はクロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどいろいろ種類があります。家にある接着剤を見た結果、ゴムっぽい成分は2割~4割入っている製品が多いです)
色を濃く付けすぎてしまったので少し見にくいですが、こんな感じになりました。
ちょっと硬めです。でもひっぱると千切れそう。
(原型→消しゴムはんこ、型取り→グルーガン)
型取り用のシリコン(GSIクレオスのMr.シリコーン)を使いました。
100均のスタンプ補充用の油性インクを混ぜて色を着けてみました。
油性っぽいインクなら他のものでも混ざる気がします。
目と口の黒い部分は、型から外した後でシリコンシーラントを絞り出して付けましたが、
テカテカしてしまったので、面倒くさがらずにシリコンを絞り出した方がよかったなと思いました。
(原型→消しゴムはんこ、型取り→エポキシ接着剤)
プリンタの詰め替え用インクでも色を着けてみましたが、インクが少しはじく感じがしました。
でもしっかり混ぜれば混ざったし、硬化もしたので大丈夫そうです。
(100均のを使いましたが、製品によっては混ざらなかったり硬化しなかったりするかもしれないので、試してから本番の作業をしてください)
※補足記事を書きました→こちら
シリコンは、離型剤がなくても型からはがれました。
(試したのは、エポキシ接着剤、レジン、グルーガンで作った型です。それ以外は未確認です)
シリコンの型にシリコンを流すと確実にくっつきます。(シリコンシーラントもくっつきます)
石鹸水や床用ワックスなどを塗れば大丈夫ですが、少しでも塗り残しや少ない部分があるとそこだけぴったりとくっつきます。
そして無理にはがすと裂けます。
シリコンで実物を作ると、あとでゴム板にくっつける時に普通の接着剤ではくっつきません。
シリコンにも使える接着剤もありますが値段が高いので(セメダインのPPXとか…使ったことないので使用感は分かりませんがちょっと高い)、
シリコンシーラントと紙を使ってゴム板にくっつけることにしました。
(紙によってはシリコンシーラントがうまくくっつかずに剥がれてしまうものもあります)
バスボンドなどのシリコン補修材でもくっつくと思います。
紙の上にシリコンシーラントを薄く伸ばして、シリコンで作った絵柄を上に乗せ、少し押さえつけて乾燥させます。
紙は黒い紙を使った方が目立たなくてよかったなと後で思いました。
切り口が目立たないように黒ペンで塗ってもいいです。
でも紙は油を吸うので、耐年性を考えると、プラ製の薄い板を使った方がいいかもしれません。
(シリコンシーラントとポリプロピレンはくっつかない気がするので他の物でなにか…、紙に水性ニスを塗っておくとか?)
紙の裏に両面テープを貼っておくとそのままゴム板に貼れるので楽です。
(両面テープは透明な強力タイプがおすすめです)
ゴム板に貼った後ではがれてくるとすれば、たぶん間に挟んだ紙の部分からはがれてくると思うので(はがれるというか、紙部分が割れてくる)、
紙部分なら貼り直しもボンドなどを使えるし、楽だと思います。
(むしろ時間が経つとシリコンの油分っぽいものを紙が吸ってるのでボンド使えない?よくわからん…
今のところは1ヶ月くらい経ちますがなんともないです)
周りはカットします。
シリコンシーラントも、ものによっては紙を間に挟まずに、
そのままゴム板にくっつくきました。
(ゴム板は荒目のやすりなどで荒らしておきます。一部の合成ゴムはシリコンシーラントによっては変色するらしいです。黒いので目立たないとは思いますが。天然ゴムのゴム板を使ったので大丈夫かなーとは思いますが、時間が経つとどうなるかは不明です)
でも一回紙に貼った方が、はみ出した所をカットできるしきれいに出来る気がする。
※再掲時の追記(2020/12/20)
上記の方法ではなく、普通に接着剤使った方が楽です。
ゴム板とシリコンはセメダインのスーパーXハイパーワイドで接着可能でした。
それなりにくっつきます。(ゴム板はやすりがけをして接着面を荒らしてから接着する)
グミーキャストという製品を使ってみました。
ハードタイプとソフトタイプがあるみたいですが、今回はソフトタイプを使いました。
(原型→デスクマット、型取り→おゆまる)
着色には100均のスタンプ補充用の油性インクを使ってみました。
キャストは半透明の液体だったので、後から流し込んだ黒色の部分が透けてしまいました。
淡い色で作る場合は、白色のインクも混ぜて不透明にした方が良さそうです。
(マニキュアの液体とか絵の具とかでも大丈夫だろうか…)
感触はぶにぶにしていて、名前の通りグミみたいな感じです。
付属の粉をまぶしたら少し白くなってしまいましたが、べたべたと手にくっつく感じはなくなりました。
これで立体的なマスコットなどを作ったら面白そうです。感触が良いです。
ラバストにするには柔らかすぎるかも。
余ったキャストはこんな感じです。
柔らかくて伸びがあります。
臭いやガスなどの心配が少なく、その辺に売ってるもので作れるという点からは、
ボンドとでんぷんのり、合成のり、紙粘土を使ったやり方が手軽に出来ていいと思います。
でもシリコンで作ったやつが一番それっぽく出来た気がするので、
シリコンを持ってる人はシリコン使った方が手っ取り早く出来ると思います。
型取り用のシリコンよりも、スイーツデコ用のシリコンの方がそれ用に作ってある製品なのでいいのかなーとも思いますがよく分かりません。
合成のりなどを使ったものは、乾燥しても水がかかると絵柄がにじみます。
何かで保護しようと思い、ラッカースプレーを吹きかけてみました。
薄めに何回か重ね塗りすれば大丈夫っぽいです。
ラッカースプレーをかけた後でつや消しスプレーをかければ多少それっぽくなるのではないかと。
夏休みの工作みたいになってきて、だんだん何を作っているのか分からなくなってきましたが、
やはりそれ用の製品を使うとクオリティが上がる気がします。
しかしあくまでも「もどき」で、手作業なので、限界があります。
あまり細かな絵柄の物は作れないし、
全体の大きさも、手作業で原型を作れる大きさとなるとどうしても大きめになってしまいます。
原型が綺麗に出来れば、後はなんとかなると思います。
原型さえ、綺麗に出来れば…。
製作日数は結構かかりましたが、ほとんどが材料の乾燥にかかる時間なので、
実際の作業時間は短いです。
自作のものは耐久性が心配です。
しばらくすると劣化しそうな気もします。
部屋などに飾っておくだけならそんなにすぐには壊れないとは思いますが…。
使うものによっては手袋などを装着し、風通しの良い所で作業してください。
レジンやシリコンは硬化中にガスが発生するので換気は重要です。
使う製品の注意書きや説明をよく読んで自己責任でお願いします。
では、ここで1個あたりの材料費の計算をしてみたいと思います。
・牛乳パック+おゆまる+ボンドとでんぷんのりを使った場合
原型の牛乳パック→ボンドとか使ってるので、5円
型取りのおゆまる→105円
実物作成のボンドとでんぷんのり→20円
ゴム板→50円
その他、絵の具や接着剤、金具など→100円
合計280円
・デスクマット+レジン+シリコンを使った場合
原型のデスクマット→25円
型取りのレジン→2kgで3600円の商品を50g使ったとして、90円
実物作成のシリコン→1kgで3000円の商品を50g使ったとして、150円
ゴム板→50円
その他、インクや接着剤、金具など→100円
合計415円
どの材料もそんなに量は使わないので、もっと安くなるかと思いますが、
おおよそで計算するとこれくらいかと思います。
100均やホムセンに売ってるような、安くて手に入りやすいもので作れないだろうかと思って試してきましたが、
何だかんだいっても、シリコンで作ったやつが一番それっぽく出来ると思います。
ただしシリコンは裂けやすいので、耐久性が心配です。
原型はデスクマットが一番切りやすかったので、デスクマットで作りました。
型取りはレジン、実物作成はシリコンです。
拡大するとこんな感じです。
合成のりと紙粘土を使ったやつも比較用に作ってみました。
顔部分だけですが。
斜めから見た写真
横から見た写真
※追記(2013/12/01)
比較画像(クリックすると大きいサイズで表示されます)
原型はデスクマット、型取りはおゆまるです。
紙粘土を使った物は、型からはずしてしばらく置いておくとそって曲がってきますが、
押さえれば平らになり、柔らかいため折れることはないです。
最終的にはゴム板に貼るので問題ないと思います。
また何か思いついたら試してみたいです。