(2014/04/06)
「ラバストっぽいものを試作してみる 原型編」の、ビニールマットを使った場合の詳細です。
これは私がやりやすいだけのやり方なので、他の方法で作っても問題ありません。
わざわざ説明するようなことはやっていませんが、
実際どうやって作っているかという流れを書いていきたいと思います。
カッターが苦手、やってみたけど上手く作れないという場合は参考にしてみてください。
厚さ約1ミリのビニールマットを切って貼って、という方法で作ります。
(ビニールマット、デスクマット、塩化ビニル樹脂、などといわれる柔らかいビニル樹脂です)
ビニールマットを使う理由は以下のような感じです。
■紙などに比べて柔らかいので切りやすい。切った時にぼそぼそしない。
■手に入りやすい&安い
ホムセンで10センチ単位で切り売りしていました。
(テーブルクロスとかのコーナーに売ってましたが、他にもロール状で切り売りしている系の商品が置いてありそうな場所にあると思います)
値段は厚さ1ミリだと、
90センチ幅が10センチ単位で220円、
40センチ幅が10センチ単位で120円、くらいでした。
40×10センチの大きさでも数個作れますので安くすみます。
切り売りじゃなくても、
文具コーナー等でよさそうな厚さのデスクマットがあればそれでもいいと思います。
100均(ダイソー)のデスクマットを使ってもいいです。
100均の商品はいつのまにか見かけなくなったり、今後リニューアルして厚さが変わる可能性もありますが、B4サイズで厚さ0.7ミリくらいのやつが売っていました。薄めなので切りやすいです。これ以上薄いと溝が浅くなり、実物を作る際に樹脂類を流し込みにくい気がするので、ちょうどいい厚みだと思います。
※再掲時の追記(2020/12/20)
もう上記の100均のデスクマットは入手できないと思います。
厚さが0.7ミリくらいでちょうどいいのですが…
(ホムセンにあるのは1ミリ厚で、その下は0.45ミリ厚だった。中間の厚さが自分にはちょうどいい。1ミリは熱い気がする。厚いと切りにくい。)
100均でちょうどよさそうな軟質塩ビを使っている商品を探して、それから切り出すとか…
ラバストにする絵を用意します。
説明用に適当に描きました。
アナログで描いても大丈夫です。
なるべく均一な太さの線で描いておくと切る時に楽だし、ラバストっぽくなります。
失敗してもいいように、いくつか印刷(アナログの場合はコピー)しておきます。
ビニールマットを適当な大きさに切って、
絵を貼ります。
後ではがせるように、スティック糊や木工用ボンドなどで貼っておきます。
糊が完全に乾いてから切ります。
カッターは自分が使いやすい、切りやすいと思うものを使ってください。
カッターはとても重要です。器用な方以外はそれなりの道具に頼ってください。
よく切れるカッターを使えば手も疲れないし楽に切れます。
カッターでの切り方について
・無理に1回で切ろうとせず、同じところを何回かなぞって切る
・力を入れすぎない
・刃はこまめに替える、先が欠けたり切りにくくなった気がしたら替える
…などがカッターで切る際のコツだと思います。
まずどこから切るか決めます。
顔の中から切ろうと思います。
(キャラ物で全身絵のときは足から切ることが多いです。いきなり顔などの重要なパーツを切らないで、修正ややり直しが楽そうな部分で手を慣らしていくというか…)
後に残るパーツが大きいと、手で押さえられる部分が大きいので切りやすいです。
切る順番を考えて切っていけばかなり楽に作業が進みます。
例えば目を切ろうとして、線の部分の外側を先に切ってしまうと、
小さいパーツになってしまいます。
この状態で線の内側を切ろうとすると、
指でパーツをうまく押さえる事ができず、とても切りにくいです。
この様な状態にならないように、細かいパーツは線の内側から切っていくようにします。
また、絵柄的に線が繋がっている部分は、なるべく一緒にカッターの刃を入れるようにします。
この様なことを踏まえて、綺麗に切れるような順番で切っていきます。
細かい部分から切った方が後々楽なので、目から切っていきます。
小さい円形なので、カッターを立てて突き刺していく感じで切っていきます。
これを何回か繰り返します。
1回で切ろうとしないで同じ所を何回かなぞって切ればいいです。
ある程度切れたら裏にぼこっと押し出します。
一部完全に切れていない部分がありますが、つまんでむしり取ります。
ビニールマットは少し切れていない部分があっても、引っ張って取ればいいです。
ある程度切れていれば、引っ張って取っても裂け目は綺麗です。紙と違ってボロボロしたり毛羽立ったりしないので楽です。
(切れてる具合によっては汚くなりますので、ある程度はしっかり切ってから引っ張るのがいいです)
目の部分が切れました。
紙は剥がしてしまうと表側がどっちだったか悩む原因になるので、貼る直前までつけたままにしておきます。
切ったパーツは、どこのパーツかすぐ分かるように仕分けして置いておきます。
細かいパーツだとどこのパーツだったか分からなくなるときがよくあります。
次は目のハイライトの部分を切ります。
先ほどのように少しずつ突き刺す感じで切り、裏側に押し出して取ります。
切りました。
紙が剥がれてしまったので、貼るときにどちらが表側か悩む事になるかもしれませんが仕方ないです。
次は目の周りの線を切り取ります。
切りました。
線の部分は溝になるので、このパーツは使いません。紛らわしいので捨てておきます。
同じようにしてもう一方の目も切りました。
次は鼻の線を切ろうと思います。
両サイドは普通に刃を倒し気味で切ります。
上と下は突き刺す感じで切ります。
多少切りすぎてしまっても大丈夫です。ビニールマットはぴたっとしているので目立ちません。
切ったら裏側に押し出して取ります。
切りました。
同じように眉毛と口の線も切り取ります。
顔の中の切るべき所は全て切れたので、
次は顔の輪郭を切っていきます。
線の内側を切ります。
切ったら裏側に押し出して取ります。
カッターが交差する部分はしっかり切れていなくて、くっついていることがよくあります。
ほんの少しの切り残しだけなら軽く引っ張って取ればいいです。
次は耳とピアスを切りますので、
顔の輪郭の線の部分を切っておきます。
切りました。
片方の耳を切ります。
ピアスも切りました。
このような小さい円はカッターを立てて突き刺すようにして切るのがポイントです。
1回で切らずに何回か周りをぐるぐると突き刺して切ります。
続いてもう片方の耳も切ろう…としたら失敗する事もあると思います。
予備の絵に失敗した部分をメモしておき、後で切ることにします。
うまく切れたつもりで作業を続けます。
この写真は耳の部分の線はすでに切ったあとなので、下の説明画像とは少し違った状態ですが、
(写真撮るのを忘れました)
次は髪の線の部分を切ります。
先ほど切った部分をまた切らないようにします。
絵を描く時に均一な太さの線で描いて、
切る時は線に沿って切っていれば、
線の部分を切ったかどうか忘れてしまっても見れば分かります。
線の部分を切る時はきっちり切っておく、残しておく時はきっちり残しておくと作業が楽です。
切りました。
後は髪の部分を切り取って終了!
と思ったら、さっき耳を切るのを失敗したのを忘れていました。
予備の絵から、失敗した耳の部分あたりを適当に切り取ります。
ビニールマットの切れ端などに貼って、切り直します。
これで全てのパーツが切れました。
土台になるビニールマットを適当な大きさに切っておきます。
この土台はそんなに細かくカットする事はないので、お好みで少し厚めのものを使ったりしてもいいと思います。
(写真のやつは1.5ミリです。たまたま小さい切れ端があったので)
ビニールマットの裏側に絵を貼ります。
セロテープで一箇所貼るだけです。ぺらっとめくれます。
まず髪の部分から貼ろうと思います。
貼る直前にビニールマットについている紙をはがします。
ステッィク糊で貼ってあるのでペリペリとはがれますが、紙が残ってしまったら水分をつけてはがします。
糊は粘着力の弱いものを使えばはがすのも楽ですが、
切っているときにはがれてくると厄介なので、それなりにちゃんとくっつくやつを使っています。
接着剤をつけて、絵を目安にしながら適当に貼ります。
接着剤はビニル用を使いました。
そのままだと少し見にくいので、光にかざして位置を微調整します。
接着剤はそんなにすぐには乾かないので、動かせます。
次は顔を貼ります。
ある程度の位置に貼って、
光にかざしながら位置を微調整します。
切る時に線の部分を均一な幅で切っていれば、貼るときも均一な幅で貼っていけばいいです。
「線を均一な幅で切っておく」というのが楽に貼りつけ作業をする上で重要になります。
耳や目なども貼りました。
細かい部分はピンセットを使います。
貼り付け作業を進めていくと、
「下の絵に位置を合わせても溝の幅が均一じゃなくなる」という部分がどうしても出てきます。
そのような部分はとりあえず大体の位置に貼っておいてあとで修正します。
溝が細い・溝がなくなっている部分はあとで切ればいいので修正も楽です。
溝が太すぎる部分は修正するにしても面倒です。
そういったことを踏まえて、よさそうな位置に貼っておきます。
全て貼り終わったら絵の紙をはずします。
できた原型に練り消しなどを押し付けて、溝が綺麗にできているか確認します。
目の部分の溝がなんかいまいちな感じもします。
多分接着剤がはみ出して溝が埋まっているのだと思います。
カッターや細く削った竹串などで、溝に埋まった接着剤を取り除きます。
こういった、溝をゴリゴリやって接着剤を取る作業には、
ダイソーのデザインカッターを使っています。使い終わった刃で刃先が少し欠けていますが、
ビニールマットが切れることもなく、刃が厚めなので溝に対してもちょうどいい幅です。
口と鼻の線も溝ができており大丈夫そうです。
顔の輪郭の部分が、他の部分と比べて溝が細い気がするので、少し切って溝を太めにします。
この場合髪の方を切るか、顔の方を切るかのどちらかになりますが、
練り消しを見た感じからすると、髪の方を切った方が自然になると思うのでそうしました。
少しずつ、うすーく切っていきます。
丸で囲ってあるのが切り取った切れ端です。
細かくて大変そうに見えるかもしれませんが、見た目ほど大変ではないです。
ビニールマットを使うとこういった作業がとても楽です。
紙だとぼそぼそするし、
ゴム製マグネットシートだとビニールマットより固めだしカッターにくっつくし、
ゴム板だとヘタッとしてボロボロするし(これはゴムの種類にもよると思いますが)、
私が入手しやすい物としてはビニールマットが一番切りやすいです。
ビニールマットは細かい所の切り直しも楽だし、曲げられるし、適度な柔らかさで切りやすいし、おすすめです!!
切り直した後の写真。
少し溝が太くなって、他の部分の溝と同じくらいの幅になったと思います。
そんな感じで練り消しを使って溝を確認し、直していきます。
接着剤はあまり強力にくっついているわけではないので、はがそうと思えばはがせます。
大きいパーツは結構しっかりくっついていますが、細かいパーツははがれやすいです。
溝が広すぎるなーという部分は、はがして新しく切り直したパーツを貼るか、
面倒な場合はうまくごまかしておきます。
原型を綺麗に作っておくと、実物も綺麗に仕上がります。
周りを切って完成です。